アトピー性皮膚炎の治療法について///atpic treatment

横浜市神奈川区、横浜駅・神奈川駅・東神奈川駅を最寄り駅とする野村皮膚科医院 では、 皮膚疾患について、患者さんに知っておいていただきたい内容をお伝えいたします。 このページでは、「アトピー性皮膚炎の治療法」について解説いたします。
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〇 アトピー性皮膚炎の治療法
治療の基本は外用療法
アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症反応を起こしている病気です。その皮膚に直接炎症を止める塗り薬を塗ることは最も効果的で、治すための最短コースとなります。 ただ、ステロイド外用薬に関しては、患者さんによって考え方が様々あります。そのため、当院では患者さんの状況に応じて、治療法を二人三脚で選択させていただいております。 治療方法についてご希望がありましたら、お気軽にお伝えください。
塗り薬
■ステロイド外用薬
炎症を抑える働きにより、湿疹やかゆみを治します。 ステロイドの強さにはランクがあり、症状の強さや使用する部位にあわせて、強さや使用する期間を調整する必要があります。 とても強いランクの薬を長期間顔に使用したり、治った後でもだらだら使用したりすると、皮膚が薄くなる・毛細血管が広がる・ほてって赤くなる・ニキビができるなどの副作用がでる可能性があります。 また、長期間使用していたのに急にやめてしまった場合にも、ほてったり腫れたりすることがあります。 現在「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」が制定され、ステロイド外用薬を含め、きめ細かな治療方法の道しるべができました。 時代はまさに変わったのです。副作用を起こさずに上手に薬を使っていくことが、皮膚科医の本来の役割だと思います。
<ステロイド外用薬を使用するときのポイント>
  1. どこに何を塗るかを、きちんと把握しておく
  2. 症状のひどいところには、強いステロイド外用薬を使用します。顔や外陰部、小児は、薬の吸収が多いため、弱めのステロイド外用薬を使用します。症状が改善してきましたら、ランクを下げて弱めに切り替えたり、使用頻度を減らしたりしていきます。

  3. 塗る順番も大切
  4. 強いステロイド外用薬を塗った指で弱い薬を塗ると、指に残っていた強い薬も混じって皮膚についてしまいます。強さの違うものを使う場合は、必ず弱い薬から塗ります。

  5. 塗る量も大切
  6. 1finger tip unit(1FTU:第2指の先端から第1関節部まで、口径5 mmのチューブから押し出された量で、約 0.5 g)が、成人の手のひら2枚分、体表面積の2%に相当します。5 gチューブ1本で体表面積の約20%分になります。塗った部分の薬が光って見える程度、ティッシュをその部分にのせた場合はティッシュがペタッとくっつく程度の量が適切と言われています。ほんの少量を広範囲に刷り込んで塗っている例が見受けられますが、量が少ないと効果も落ちます。「たっぷり!やさしくのせる感じで!」と患者さんにはお伝えしています。ただ、塗った後のべたつきが気になる場合もありますので、その際にはべたつきの少ないクリームやローションタイプを使用したり、保護する布をあてたり、いろいろ工夫することができますので、お気軽にご相談ください。

■ステロイド以外の外用薬
  • ・プロトピック軟膏(タクロリムス:免疫抑制剤)
  • ・コレクチム軟膏(デルゴシチニブ:JAK阻害薬)
  • ・モイゼルト軟膏(ジファミラスト:PDE4阻害薬)
いずれもステロイド外用薬とは異なるメカニズムで 炎症を抑えます。ステロイド外用薬のような副作用がでないため、顔にも使用しやすい薬です。効果が出るまで時間がかかる場合がありますので、根気よく使用することが大切となります。 なお、まれに刺激感が出る場合がありますが、その症状を少なくするためにはコツがあります。

  1. 症状がひどいところは、まずステロイド外用薬で炎症反応を抑えて、症状が落ち着いてから使用する
  2. 初めて使うときには、1円玉1個分くらいの範囲のみに塗り、少しずつ薬をぬる範囲をふやしていく。
      ほてりなどの刺激感が強くてどうしても使いにくい場合は、保湿剤に薄めて使用したり、
      使用する部位を変更したり、他にもいろいろな工夫がありますので、お気軽にご相談ください。
■保湿剤
  乾燥してバリア機能が低下している皮膚の働きを正常化するためにも、必需品です。 症状が強いときでも全身の保湿は大切で、ステロイド外用薬や免疫抑制剤と併用して回復を早めることもできます。 症状がよくなった後でも、予防として使用していきます。皮膚科で処方する保湿剤と市販で販売している保湿剤がありますが、 使いやすくて刺激のないものを選んでいきます。当院ではさまざまな保湿剤を扱っており、患者さんの肌質やお好みに合わせてお選びしておりますので、 お気軽にご相談ください。
飲み薬
■抗ヒスタミン薬
 かゆみやアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を使用します。抗ヒスタミン薬にはいろいろな種類があり、症状やライフスタイルに合わせて選んでいます。
■漢方薬・ビタミン剤
 体質改善として、漢方薬や、ビオチン、ビタミンCなどのビタミン剤を使用することもあります。症状や体質に合わせてお選びしておりますので、お気軽にご相談ください。
■経口免疫抑制剤:シクロスポリン
他の治療で症状が改善しない、成人の重症アトピー性皮膚炎に使用します。 
全身療法
■光線療法
 nUVB(ナローバンドUVB)やエキシマ(LED-UVB)を用いた光線療法を行っています。1~2週間に1回程度、症状の出ている部分に照射します。治りにくい痒疹(皮膚がかたくなり、とてもかゆい状態)やかゆみが強い場合に効果的といわれています。
■注射
 症状に応じて、体質改善のビオチンやヒスタグロビン、かゆみ対策の強力ミノファーゲンCやノイロトロピンによる注射治療を行っています。
■最新の治療法
 外用療法や光線療法などを行っても改善しない場合には、最新治療があります。分子標的薬の注射剤として、デュピクセント(デュピルマブ:抗IL-4/13受容体抗体)・ミチーガ(ネモリズマブ:抗IL-31受容体抗体)・アドトラーザ(トラロキヌマブ:抗IL-13抗体)や、内服薬のJAK阻害薬として、オルミエント(バリシチニブ)・リンヴォック(ウバタシチニブ)・サイバインコ(アブロシチニブ)も当院では治療法の一環として持っております。 注意点として、高額医療費の助成の対象となるように、医療費が高くなる治療であることは事実としてあります。患者さんの生活に寄り添って、 どの治療法が最良になるかを要望も聞きながら、治療法を決定しております。
■どの治療を選びますか?
  アトピー性皮膚炎の症状は多彩です。かゆみ(掻痒)、かさかさ(乾燥)、赤み(紅斑)、じくじく(浸出液)、ざらざら・ごわごわ(苔癬)、固いぶつぶつ(結節)など、様々な症状が出現し、混在していることも多くあります。皮膚の症状や、アレルギーの原因、これまでの病気の経過や合併症などをきちんと把握したうえで、一人ひとりの患者さんにふさわしい治療方法を選ぶことが大切となります。 当院では、きめ細かな問診や診察で、患者さんの症状やご希望に合わせた治療方法を選んでおります。診察時に、ご要望や気になる点などをお気軽にご相談ください。
当院オリジナル治療・施設
■生活指導とスキンケア指導
 アレルギーを引きおこす原因検索や対策、生活指導にも力を入れています。 ダニや花粉対策方法の説明書やアレルギー対応モデルルームでの生活指導、食物アレルギーでは除去食や解除方法など、きめ細かな説明を行っております。 また、肌が弱い方でも使用できる肌着や洗剤、マスク、スキンケア製品、化粧品などのご紹介や使用方法の説明も行っていますので、診察時にお気軽にご相談ください。
■低出力レーザー治療
 首のそばには、交感神経の中継点である星状交感神経節があります。ここに低出力のレーザーをあてると、交感神経の緊張がほぐされ、自律神経の働きが正常化し、かゆみや赤みが軽減します。さらに、自然治癒力も増すといわれています。1~2週間に1回程度、1回につき15分間レーザーを照射します。 交感神経の緊張が緩んで眠気の出る場合がありますが、肌は痛みや熱さを感じませんので、お子様でも安心してうけることができます。
■塩水治療
 アトピー性皮膚炎の治療に海水療法が行われ、その効果は多くの患者さんに認められています。 当院でも、アトピー性皮膚炎のお子様をもつお母様より、自然塩がかゆみや手荒れに効果があったと、お話をうかがいました。 また、海水に近い自然塩を用いた治療が、6割以上の患者さんに(特に小児では9割以上)効果的であると報告されています。
塩水の効果
  1. 化学伝達物質の放出を抑え、かゆみを止める
  2. 皮膚を保湿し、保温する
  3. 皮膚につく細菌をおさえ、殺菌する
  4. 炎症を抑える
  5. 皮膚を洗浄する
塩水の副作用
 ・ 使用時に(しみる、痛いなど)

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当院では自然塩に、天然のラベンダー(炎症を抑える効果があります)とオリーブ油(刺激感をやわらげ保湿効果を高めます)を加え、 刺激感のない自然塩の作製に成功しました。かゆみが強く、乾燥とじくじくした引っかき傷が混じっている患者さんに効果的です。また、お子様にも好評です。ご興味がありましたら、診察時にお気軽にご相談ください。
■ドクターサウナ
 低温医療用サウナにより、体の中から自然治癒力を高める効果があります。 アトピー性皮膚炎の治療改善としても効果が得られています。 詳細はこちらへ
■アレルギー対応モデルルーム
 より快適な生活空間をご提案します。ご見学することができます。
 横浜市神奈川区、横浜駅・神奈川駅・東神奈川駅を最寄り駅とする野村皮膚科医院では上記にあげた治療を中心としながら、「アトピー性皮膚炎」の治療を患者さんと二人三脚で選択してまいります。皮膚でお悩みの患者さんは一度当院を受診ください。
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