乾癬について///psoriasis

横浜市神奈川区、横浜駅・神奈川駅・東神奈川駅を最寄り駅とする野村皮膚科医院では皮膚疾患について、患者さんに知っておいていただきたい内容をお伝えいたします。 このページでは「乾癬」について解説いたします。
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症  状
「乾癬」と呼ばれる疾患のうち、9割は「尋常性乾癬」と呼ばれるタイプの乾癬です。
尋常性乾癬は
  • ・皮膚が炎症を起こし赤くなる…紅斑(こうはん)
  • ・皮膚が盛り上がる…浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう)
  • ・銀白色のフケのようなものがくっつく…鱗屑(りんせつ)
という症状が現れます。
頭部やひじ、ひざ、すね、腰回りに症状が現れることが多く、かゆみを伴う方も半数以上いらっしゃいます。発症年齢のピークは20歳代と50歳代となっており、とても幅広いです。
そのほか、
  • ・足や手の指先に関節炎を伴う
    「関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)」
  • ・全身の皮膚に赤みが広がってしまう
    「乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)」
  • ・赤い皮疹とともに膿が多発する
    「膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)」
  • ・直径1cm以下の小さな皮疹が全身に現れる
    「滴状乾癬(てきじょうかんせん)」
なども、乾癬のタイプとして知られています。
どの乾癬も特徴的な皮膚症状が現れるため、周囲の目が気になる、日常生活が制限されるなどといった精神的ストレスも大きいことが特徴の疾患です。
原  因
乾癬は、遺伝的要因と環境因子を背景として、免疫系が過剰に活性化され、結果的に皮膚の細胞が過剰に増殖することで引き起こされる疾患です。
乾癬の患部では皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が異常に活発になっており、通常の皮膚の10倍ほどのスピードで皮膚が作られ続けています。これは免疫システムの異常によって引き起こされています。何らかの原因で、自分自身の細胞を攻撃するようになってしまう免疫異常を「自己免疫疾患」と呼びます。「もともと炎症を起こしやすいなどといった体質」の方が、ケガ、ストレス、乾燥、食生活などの「外的な要因」、そして高脂血症、肥満などの「内的な要因」をきっかけとして免疫システムに異常が生じ、発症してしまう「自己免疫疾患」が乾癬の実態であると考えられています。
したがって、乾癬が人から人へうつることは絶対にありません。温泉やプールに一緒に入っても、美容院などで散髪・洗髪をしても誰にもうつりませんので、ご家族や周りの人に正しい理解をしてもらうことが重要です。
日常生活の注意点
■精神的ストレス
乾癬を悪化させる原因として、仕事や家庭でのストレスがよく挙げられます。当院では患者さんに寄り添い、お話をうかがいながら、一緒にストレスを和らげる方法を探っております。
■生活習慣の改善
睡眠不足や飲酒・喫煙は乾癬を悪化させる原因となります。糖尿病や高脂血症、肥満などの生活習慣病が合併している方も多くいらっしゃいます。食生活には十分に気をつけましょう。カロリーを控えめにして、適度な運動も忘れずに。
■かゆみのケア
かゆみが伴うことも多い乾癬ですが、掻いてしまうとその刺激により皮膚の症状が悪化してしまいます。ついつい引っかいてしまったり我慢できない場合は、かゆみを和らげる薬もありますので、お気軽にご相談ください。
■感染症に注意
風邪や扁桃炎をきっかけに乾癬を発症したり、乾癬が悪化したりすることがあります。日頃から手洗いうがいを心がけましょう。
治  療  法
  大きく分けて4種類の治療法があります。患者さんの症状やライフスタイルに合わせて、治療方法を選択します。お気軽にご相談ください。
  • 1 : 外用療法(塗り薬による治療)
  • 多くの患者さんは、まずこの外用療法から治療を始めます。乾癬治療の基本です。炎症を抑えるステロイド外用薬や、表皮の異常増殖を抑える活性型ビタミンD3外用薬などの塗り薬を使用します。
    最近では、活性型ビタミンD3・ステロイド外用薬の配合剤が主に用いられています。軟膏タイプやローションタイプ、フォームタイプなどがあり、症状や部位によって使い分けが可能です。当院では、症状に合わせて外用薬の塗り方のポイントやコツをご説明しておりますので、お気軽にお尋ねください。
  • 2 : 光線療法(紫外線を照射する治療)
  • 紫外線は、免疫の過剰な働きを抑制する効果があります。UVA(長波長紫外線)やナローバンドUVB・エキシマ(中波長紫外線)を患部に照射し、症状の改善を図ります。
    外用療法で効果がなかなか見られない場合や、患部の範囲が広くて塗り薬を塗るのが大変な場合などに行われます。
  • 3 : 内服療法(飲み薬による治療)
  • 比較的症状の重い乾癬患者には、内服療法を用いる場合があります。角質細胞の異常な増殖を抑えるビタミンA誘導体(チガソン)、免疫の過剰な働きを抑える免疫抑制剤(ネオーラル、メトトレキサート)、炎症を抑えるPDE4阻害薬(オテズラ)などを使用します。内服薬は、副作用や他の薬との飲み合わせなどを注意しなければなりませんので、定期的な診察と血液検査が必要となります。
  • 4 : 注射療法(生物学的製剤を注射する治療)
  • 内服療法でも光線療法でも十分な改善が見られないときに行う治療法です。免疫細胞の情報伝達に使われる「サイトカイン」の働きを弱めることで炎症を抑え、症状を改善させる目的で用います。使用前には細かな検査が必要となります。また、高額医療費の助成の対象となるように、医療費が高くなる治療であることは事実としてあります。患者さんの生活に寄り添って、どの治療法が最良になるかをご要望も聞きながら、当院では治療法を決定しております。
    なお、生物学的製剤は日本皮膚科学会が承認した施設のみで治療が受けられます。当院も承認施設になっており、連携病院と協力して治療を行っております。
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横浜市神奈川区、横浜駅・神奈川駅・東神奈川駅を最寄り駅とする野村皮膚科医院では上記にあげた治療を中心としながら、「乾癬」の治療を患者さんと二人三脚で選択してまいります。皮膚でお悩みの患者様は生物学的製剤承認施設である当院でご相談ください。

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